ふり向いてくれ、愛しきものよ(キャンパス・ライフpt.4 1998年の真実)
アッと言う間に留学も終わり日本に戻ってみると、僕の身の回りには大きな変化が起きていた。二度とは戻せない時計の針を眺めながら、ありのままの心境を綴っていきたい。
(平成10年7月)
アッと言う間に留学も終わり日本に戻ってみると、僕の身の回りには大きな変化が起きていた。二度とは戻せない時計の針を眺めながら、ありのままの心境を綴っていきたい。
(平成10年7月)
第0話:長い間 「『絶対』という言葉を絶対に使ってはいけないということは承知している。でも、今回に限って言えば、僕が今後考えを変えるとは思えない。10年の間には二言三言他愛のない言葉を交わすかも知れないが、心から打ち解け…
第1話:クラシック 「なぜこのやり方で混乱が嘘のようにしずまるのかというと、たぶん混乱が嘘だったからだろう。」 土屋賢二(大学教授) 実は、S氏にあのような形でお小言を頂戴したのは今回が初めてではない。 ちょうど1年前、…
第2話:灰色の教室 「僕たちの関係なんて、おはよう、おやすみときてそれまでのものさ。あいつが僕と友人でいたくないことは確かなんだ。忌み嫌っているわけじゃないけど、ヤツは僕に何ももたらしやしない男だし、僕だってヤツに何かを…
第3話:パーティに君は来るの? 「誰にも頭をさげる必要はなかった。彼の前に立ちはだかる政敵は、冷酷な計算と妥協のない戦略で征服されていく。これが、彼の強みであると同時に弱みでもあった。強みは誰にも借りを作らず、思い通りの…
第4話:とまどい 「私は他人が決めたルールの中で行動している。もし、そのルールが上手く働かないとしたら、それはゲームに参加している私の責任ではない。あくまで、そんなルールを決めた人間に落ち度があったに過ぎない。」 ジョー…
第5話:夏の日 「時も場所も相手も考えずに、善悪の問い掛けをすることもなく、ただ自分が『したい』と思ったことだけをそのまま行動に移す。そして困ったことにそれをすっかり『個人の自由』であると思いこんで正当化してしまっている…
第6話:せつないよね 「マルコスが私を殺しても、それはただ殺人の成功であり、彼の勝利などではない。私と彼の、いずれが勝ったかは神だけが知っている。私が死を恐れぬ限り、彼は決して私を打ち負かすことなど出来はしない。」 ベニ…
第7話:狂った果実 「人は自分の眼鏡に従って現実を見る。彼女は私に対して『色めがねで見ている』と批判しているが、自分もまた色めがねで見ているという自覚はないようだ。」 林 道義(大学教授) 学園祭が終わって、サークルでは…
エピローグ:木枯らしを抱きしめて 「危機は既に去りつつある。世界が真実を知った以上、世界は間もなく忘れるだろう。」 アンドレイ・グロムイコ(外務大臣) はやいもので、「キャンパス・ライフ」シリーズも第4作目を迎えてしまっ…