憲法第一条1997.3.2.

先日、ある大学の法学部に通う友人に「憲法第九条」に何が書かれているか聞いてみた。友人はしたり顔で「戦争の放棄」であると答えた。
それならばと、「憲法第一条」に話題を変えてみた。すると一転相手は沈黙した。なんとこの法学部生は、日本国憲法の最初の条文を知らなかったのである。

第一条【天皇の地位・国民主権】
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

念のために第一条を引用したが、憲法の第一章は「天皇」である。なぜ現代の日本国民は、この事実から眼を背けたがるのだろうか。

「ボクは天皇家を尊敬しない」とか、「天皇家に税金を使われるのはイヤだ」とか言ってみるのは勝手である。しかし、日本国民である以上、自国の憲法を尊重するのは国民の義務である。ましてや護憲派を自任するのであるならこの条文も守らねばなるまい。

もし、現在の国体(いわゆる「天皇制」)が日本国にとって不要であれば、憲法を改めればよいことだ。それを声高に主張しないのはなぜなのだ? アカと言われるのがそんなに恐いのだろうか?

誰も言わない、言いたくない話題だけに、敢えて言ってみた。